BOX/RAIL BASICS
カーブ/レールトリック入門

カーブ/レールトリックは、スケートパークにある箱形のセクション「カーブボックス」や、ストリートの縁石やハンドレール(手すり) などでスケボーをスライド/グラインドさせるトリックの総称です。オーリーである程度の高さの障害物を越えられるようになり、様々な場所でオーリーが出来るようになってくると自然と興味がわいてくるでしょう。

ただ、カーブトリックに挑戦する前に知っておくべき知識がいくつかあります。トリックの種類のだけでなく、一人のスケーターとして知っておくべきリスクや知識もあるので、これからもっと楽しく滑るために役立てていただければと思います。

カーブ/縁石/レールの種類

カーブボックス

略してカーブとも言われます。英語ではBOXです。スケートパーク等で見かける四角形の箱の両端にコーピングが付いたセクションで、カーブトリックが練習しやすいように作られています。長いものや短いもの、斜めのものや、曲がったもの、様々な形があります。

縁石

車道と歩道や、歩道と花壇など、通りを分けるために使われているブロックの総称です。英語ではLEDGEと呼ばれます。大理石のものやコンクリートのもの、高い低い、まっすぐな物、湾曲したもの、様々な物があり、カーブトリックに適した物も多くあります。もちろんほとんどの場合コーピングはついていません。

よくスケーターが縁石でカーブトリックをしすぎて社会問題になっています。下手をすると私物や公共物破損で捕まり兼ねないので、マナーを守って自己責任で滑りましょう。

レッジ

英語でレッジ(Ledge)は縁石ですが、日本のスケボー用語でレッジは階段の脇についた縁石、またはスケートパークのステアやバンクの脇に設置されたカーブボックスのことを指します。

レッジは階段に沿って傾斜がついたものや、まっすぐなもの、様々な形がありますが、総じてレッジと呼ばれます。ストリートの場合、スケボーのトリックとしても、社会的にもリスクの高いセクションなので、十分スキルがついてから挑戦することをおすすめします。

フラットレール

スケートパークやストリートのフラットな場所に設置されたレールのことをフラットレールと言います。丸パイプで作られたものや、角パイプで作られたもの、高さにステップがある(キンクしているもの)ものや、湾曲しているもの等があります。

カーブトリックはレールでも応用できますが、フィーブルグラインドやブラントスライド等はレールの方が難易度は低いです。

ハンドレール

スケートパークまたはストリートのステアやスロープに取り付けられたレールです。スケートボードのセクションの中で最も危険で難易度が高いセクションになります。

ストリートのハンドレールに安易にトライすると大怪我につながるので、まずはパークのハンドレールから練習し、十分なスキルと自信がついてから挑みましょう。

フロントサイド/バックサイドとグラインド/スライドを区別しよう

カーブ/レールトリックはグラインドとスライドという2種類のトリックに大別出来ます。また、コーピングがお腹側にあるフロントサイド(FRONTSIDE)と、背中側にあるバックサイド(BACKSIDE)の2通りあり、それぞれやり方も難易度も異なります。

グラインド(Grind)は日本語で研磨すること、ゴリゴリと擦り合せることで、カーブや縁石の端を、トラックのハンガー部分で滑るトリックです。一方スライドはデッキでカーブ/縁石の端を滑るトリックです。

カーブ/レールトリックの名称は必ず、「フロントサイド/バックサイド+○○+グラインド/スライド 」(例:バックサイド 50-50 グラインド)というようになります。

グラインドの種類

50-50(フィフティー・フィフティー)・グラインド

前後両方のトラックでグラインドする最も基本的なカーブトリックです。

5-0 five-o (ファイブ・オー)・グラインド

マニュアルのように、前トラックをコーピングの上に離し、後ろのトラックだけでグラインドするトリックです。このときコーピング部分にテールがついていてもいなくても構いません。

Smith(スミス)・グラインド

後ろのトラックをコーピングにかけ、前トラックがコーピングより下にある状態でグラインドするトリックです。

Feeble(フィーブル)・グラインド

スミスグラインドと同じような形ですが、ノーズを落とす方向が逆です。カーブだとノーズが落とせないので、レールで行われることが多いです。

Nose(ノーズ)・グラインド

5-0の逆で、ノーズマニュアルのように後ろトリックをコーピングの上に離し、前のトラックだけでグラインドするトリックです。

Crooked/K (クルックド、またはケー)・グラインド

グラインドする形がアルファベットのKに似ていることからK・グラインドとも呼ばれるこのトリックは、テールがカーブの外側にあり、ノーズ側のトラックがコーピングに斜めにかかったままグラインドするトリックです。

Salad(サラダ)・グラインド

5-0時にカーブの内側にノーズをねじ込むようにし、斜めにグラインドするトリックです。

Nosepick(ノーズピック)・グラインド

180(正確には150°くらい)して前のトラックを5-0グラインドのようにコーピングにかけてグラインドするトリックです。

Hurricane(ハリケーン)・グラインド

180(正確には170°くらい)して、テール側のトラックをコーピングにかけ、逆スミスのような形でグラインドするトリックです。レールでするとノーズ側のトラックはレールよりやや下にありますが、カーブの場合はカーブに乗っかっている形になります。

Slide(スライド)の種類

Nose(ノーズ)・スライド

デッキのノーズ部分を使ってスライドするトリックです。

Tail(テール)・スライド

デッキのテール部分を使ってスライドするトリックです。

Board(ボード)・スライド

デッキの真ん中を使ってスライドするベーシックなスライドトリックです。レールに初めてトライするときは、このトリックから練習しましょう。FS/BSともにノーズからエントリーします。F/Sの場合は体が進行方向に対し後ろ向きで、B/Sの場合は正面を向いた状態になります。

Lip/Disaster(リップ/ディザスター)・スライド

デッキの真ん中部分を使ってスライドするトリックで、一見ボードスライドのように見えますが、テールでコーピングをまたいでスライドさせるので、必然的にテールがレールより高く上がらないとエントリーできないので、ボードスライドより難易度は高めです。

Blunt (ブラント)・スライド

デッキではなく、ウィールを使ってカーブ/縁石の端をスライドするトリックです。テール側のウィールで行うブラントスライドと、ノーズ側のウィールで行うノーズ・ブラントスライドがあります。

Dark(ダーク)・スライド

デッキを半回転させて、デッキテープの部分でスライドするトリックです。デッキテープが傷つくのであまりやっている人を見かけません。

ワックスについて

誰も滑っていない縁石や、作り立てのカーブボックスはそのままカーブトリックをしようとしても全く滑りません。そこで、ロウソクのロウのような素材で出来たワックス(WAX)をスライド/グラインド部分に塗ることにより、摩擦が減り、スムーズに滑るようになります。スケートショップでスケートボード専用の物を購入できますが、100円ショップに売っているロウソク等でも代用できます。

ワックスのマナー

スケートパークのカーブボックスでも、表面からワックスがなくなると滑りにくくなります。定期的にワックスを塗ると滑りが戻ってくるのですが、あまり塗りすぎると滑りすぎて危険です。

カーブボックスよりもっと危ないのが、ミニランプやRのコーピングに必要以上にワックスを塗ることです。パークを使っているインラインスケーターやBMXのライダーにとっての適度なワックスの量は、スケーターにとっては滑り過ぎる量であることが多く、これが原因でトラブルが起こっているのをよく目にします。

スケートパークでは、管理人やローカルにより適量塗られているので、もし滑りが悪く、ワックスを使いたい場合は他のスケーターに確認してからにしましょう。下手に使うとローカルスケーターに良い印象は与えません。また、ワックスを塗って滑った箇所は黒いシミのようになるので、ストリートで滑られている縁石は一目で分かります。ストリートでワックスを使うときは、社会的に問題にならないように自己責任で使いましょう。

以上がカーブボックスの基本的な知識です。カーブトリックが出来るようになってくると、それだけストリートにあるものの用途が増えますが、きちんとルールを守って楽しく滑りましょう。

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