F/S リップ(ディザスター)スライドについて
F/Sリップ(ディザスター)スライドは一見するとボードスライドと同じように見えますが、エントリーの仕方が違います。ボードスライドはレールをノーズ側でまたぎエントリーしますが、リップスライドの場合はテールでレールをまたぎます。つまり、フロントサイド側にあるレールに対してF/S 180をしながらエントリーする感覚です。
レールより高くオーリーする必要があるためボードスライドよりも難易度は高くなりますが、その分メイクすると非常にスタイリッシュなトリックです。
F/S リップ(ディザスター)スライドのHOWTO
スライド自体はボードスライドなのでここではアプローチ〜エントリーに重点を置いたやり方を解説していきます。
スタンスとアプローチ
エントリー時フロントサイドに90°オーリーするためF/S180のスタンスで、フロントサイド側のレールに対し少し角度を付けてアプローチします。
構えと視点
デッキをかけるポイントに狙いを定めます。最初はレールの終わりの方を狙って短くスライドするようにしましょう。
エントリー時フロントサイドに90°オーリーするため、上半身を回転方向の逆側に少し捻った体勢でしっかりとオーリー出来るように溜めを作ります。ここはF/S180の動きを参考にしましょう。
エントリー
F/Sリップスライドの鍵はエントリーです。レールの方向に向かってしっかりとオーリーし、板がレールより高く浮いた時点で板を回してレールの上に乗りましょう。
この際、既にスライドの体勢を作っておくことがスムーズなスライドに繋がります。B/Sボードスライドと同じようにノーズ側の腕を進行方向に向けるように意識しながら動作を行うと成功しやすいです。F/Sテールスライドのエントリーができれば、この動きは自然と出来るでしょう。
重心を保ったままスライドする
エントリーが成功すればB/Sボードスライドと同じ形になりますが、テールからレールに入るためスライドが安定するまでは注意が必要です。重心が前後に傾き過ぎないように意識しながらボードスライドを意識して体勢を安定させ、スムーズなアウトに繋げましょう。
F/Sリップスライドの練習法
挑戦する前に安定したF/S180とB/Sボードスライド、さらにできればF/Sテールスライドを習得しておきましょう。
F/Sリップスライドはエントリーに失敗すれば足をレールに引っ掛けて転倒するリスクのあるためしっかりとした基礎が必要です。最初は低いレールの終わりの方から練習し、スライドの長さとメイク率を上げていきましょう。慣れてきたらレールの高さを上げて練習していきましょう。
F/Sリップスライドを極める
F/Sリップスライドのハンドレールで見栄えは最高で、多くのスケーターによってメイクされてきました。その中でも特に印象に残った2つを以下で紹介します。
Jamie Thomas “411VM #35”
Jamie Thomasは現在デッキブランドのZeroやMysteryを束ねるBlack Box Distributionの代表ですが、有数のビッグトリッカーとしても有名で、現在に至るまで多くの伝説を残してきました。1998年にリリースされたビデオマガジン411VMの35巻の冒頭で見せた大型のハンドレールでのF/Sリップスライドです。
Albert Madrid | Transworld “A Time To Shine”
こちらは文句無しに印象に残っている超大型湾曲レールでのF/Sリップスライドです。Transworldの名作の1つ、「A Time To Shine」がリリースされたのは2006年ですが今でも鮮明に覚えています。