オーリーの高さと幅を伸ばす
走りながらのオーリーが出来てきたらもっと高くオーリーしたいと思うでしょう。実際「オーリーの高くするには?」というご質問は当サイトの質問コーナーで最も多いもののひとつです。オーリーを高くするには障害物を跳び越える練習に限ります。ここではオーリーHOWTOの第2弾として、オーリーでの物越え(高さと幅)の方法を詳しく解説します。走りながら1センチでも浮くなら練習に取りかかりましょう。
用意するもの
オーリーで跳び越える目標物として理想的なのは幅の無いもので、積み重ねるなどして高さが調節出来るもの、後ろのウィールが引っかかったとき簡単に崩れるものです(崩れないと前に投げ出され危険なので)。具体的には角材をカットしたものや、工事現場などで見られるコーン(パイロン)2つとトラ棒(バー)です。ホームセンターで揃えることが出来、コーン2つとバーは全部で¥1,000以内、木材も数百円で購入出来ます。さらに低いものだと割り箸など、ほとんど高さの無いものでも問題ありません。
物越えのステップ
物越えは低い物からはじめて徐々に高さを上げていきますが、各ステップで意識することが違います。以下で詳しく見ていきましょう。
ステップ1:目標を見る
まずはある程度スピードを付けて目標にまっすぐアプローチします。物越えオーリーのフラットとの最大の違いは目標を見ながらオーリーすることです。今までずっと前足からノーズ周辺を見ながらオーリーしてきた状態で目線を変えると大きな抵抗を感じます。目標を見たままこれまでと同じ動作が出来るよう意識しながら練習しましょう。
因みに高いものを超える場合、その目標の最上部を見ます。しっかりと目標を見て構えることが重要です。
ステップ2:まっすぐ跳ぶ
物を跳び越える上でもう一つ大切なのはまっすぐオーリーすることです。フラットでは多少体の向きがずれていてもメイク出来ますが、物越えは目標に対してまっすぐオーリーするスキルが求められます。まっすぐオーリーする条件は空中で体の向きが変わらないようにすることです。しっかりと意識してまずは低いもの、1センチ未満〜5センチ程度のものでこの動作に慣れましょう。
ステップ3:上半身と前足
5cm以上のものを跳び越える場合に意識するのは上半身を上げることと、前足を目標より上に引き上げることです。オーリーは前足を持ち上げられるところまでしか上がりません。上半身を引き上げる(しっかりとジャンプする)ことは前足をより高く引き付けることにつながります。しっかりとジャンプしながら前足が目標を超えるよう意識してオーリーしましょう。
ステップ4:後ろ足を引き付ける
物越えで身に付けられる最も重要なスキルは後ろ足を引き付ける動作です。このスキルは繰り返し高さのある目標を超える反復練習によって自然に身につくものです。言葉で説明出来るものではありませんが前足に続いて目標より高く引き上げるよう意識し、徐々に目標物の高さを上げながらこの動作を身につけていきましょう。
ステップ5:着地
目標を越えたら目線を着地地点に移しますが、これは自然と出来るでしょう。あとは重心を崩さないよう意識して着地に備えます。とび越えられるギリギリの高さだと重心が崩れやすいので注意して練習しましょう。
幅を跳ぶ
オーリーで幅を跳ぶにはスピードをつけ着地地点を見ながら前方に跳ぶことです。広い幅を越えるときはとにかくスピードが大事で、幅によっては全力でプッシュすることも必要です。
着地地点に届くように意識して前方にジャンプしながテールを後ろ側に蹴って跳びます。後ろのウィールが引っかかるようなセクションは危険なので、最初は仮に跳び越えられなくてもウィールが詰まる心配のない場所で練習しましょう。
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コーンに取り付けたバーを目標にする
オーリーの高さは次のステップであるキックフリップ、180を習得する上でも役に立ちますし、段差の乗り降りやカーブトリックなどでは必須になります。次のステップに進むために最低限必要なのはセットコーン(ちょうど30cm)を安定してとび越えられるオーリーで、理想は50cm〜60cm(縦コーンの間に取り付けられるバー/トラ棒)です。ここでじっくりとオーリーの高さを上げることによってその後のステップがずっと楽になります。キックフリップや様々な応用技を早く身につけたい気持ちは分かりますがここは時間をかけて高さを上げることをオススメします。
Q&A
Q : 一定の高さで行き詰まってしまう。
オーリーで物を越える練習をしていると一定の高さで行き詰まってしまうことがあります。多くの場合体の向きが途中で変わったり、後ろ足の引き付けがうまくいっていないからで、その高さを越えようと何度も練習することによってフォームが改善され、越えられるようになったらまたスムーズに高さを上げられるでしょう。何度か伸び悩むことはありますが、60〜70cmまでは高さを上げていけるでしょう。
Q : 体の小さなキッズでも高いオーリーは出来る?
オーリーの高さは前足を引き上げられるところまでしか上がらないので、体の小さなキッズスケーターは大人と同じ高さを跳ぶのは難しいでしょう。なのでキッズスケーターの場合は30cm(セットコーン)を目指しましょう。
幅の最高記録
オーリーのHOWTOで高さの記録(114.3cm)を紹介したのでここでは幅(フラット)の記録を紹介します。正式に認定されている世界記録かどうか定かではありませんが、カナダ出身のプロスケーターJordan Hoffartが2014年に打ち立てた16.6フィート(約5m6cm)です。以下はその動画です。彼がどれだけプッシュしているかにも注目してご覧ください。