スケートボードを初めて買われる方へ
スケートボードの主なパーツはデッキ、トラック、ウィール、ベアリングの4つで、スピード、軽さ、安定性など、重要視する機能に応じたサイズや形、ブランドなどが多く存在します。
当サイトではこれまでに各パーツについての細かな解説や選び方を紹介してきましたが、これらをゼロから一気に理解しようとすると始める段階で行き詰まってしまうこともあるでしょう。ここでは用途に合ったパーツの選び方を分かりやすく1ページに纏めました。
初めての方が選ぶべきセットアップ
まずは初めてスケートボードを購入される方が選ぶべきセットアップは以下の通りです。
・デッキ:7.75(インチ)周辺/キック弱め/平均的なコンケーブとシェイプ
・トラック:VentureかThunderのLow
・ウィール:53mm周辺/硬さ99周辺
・ベアリング:ABEC3または5
理由は以下で紹介します。
※以下でおすすめするのは身長150cm以上、足サイズ24.5cm以上で、オーリー(ジャンプ)をはじめとする技を楽しむスケートボードをしたい人のためのアイテムです。
デッキ
【平均的な形とサイズがオススメ】
スケートボードの板は「デッキ」と呼ばれ、乗り心地を大きく左右するパーツです。選ぶ際にチェックしなければいけないのは
サイズ/キック/コンケーブ/シェイプ(ノーズやテールの大きさ)の4つですが、これらの要素にこだわるのは2枚目からです。デッキは交換頻度の高い消耗品で、次に交換するときは数ヶ月後、オーリーがある程度出来るようになってきた辺りでしょう。
まずは滑りやすい平均的なもの(7.75周辺、平均的か少し弱めの反りと形)を選んでおくと滑り心地も問題なく、次が選びやすいです。ブランドによる品質の大きな違いは少ないのでグラフィックで選んでも良いですし、値段の安いブランクデッキを選んでも問題ありません。その他の要因を含めた詳細は「デッキの知識と選び方」をご覧ください。
トラック
【信頼のあるブランドのLowがおすすめ】
トラックはデッキと他のパーツを繋げる金属のパーツです。これによってターンのしやすさをはじめとする乗り心地も大きく変わってきます。
デッキと対照的にトラックは交換頻度の低いパーツで、折れたりしない限り1年ほどは使えます。そのため最初から信頼のあるブランド品を選ぶと良いでしょう。まずオススメなのは業界内で信頼の厚いVentureか、Thunderというブランドのトラックです。
トラックにはHi、Lowという高さが選べますが、最初は技がしやすいLowが良いでしょう。デッキのサイズによって横幅が何種類かあるので、買う前にスタッフの方に確認するようにしましょう。その他、トラックについての詳細は「トラックの知識と選び方」で紹介しています。
ウィール
【中間サイズを選ぶ】
ウィール(タイヤ)を選ぶ要因はサイズと硬さです。サイズが大きいと安定性が増しますが同時に重たくなるので技がやりにくくなります。なので両方を兼ね揃えた中間サイズ(53mm周辺)を選ぶようにしましょう。
硬さもパーク、ストリート両方で活用できる99周辺がおすすめです。クルーズに特化したソフトウィールもありますが、技用のハードウィールを選びましょう。
ウィールの性能は最初の段階ではブランドに大きくは左右されませんが、パワースライドを多用される方やこだわりを持って選びたい方は「ウィールの知識と選び方」をご参照ください。
ベアリング
【遅すぎず速すぎないものを/ブランドも大事】
ベアリングはウィールにセットするパーツで、スピードを大きく左右します。
速さはABECという値で分けられ、通常3、5、7の3段階があります。1や9といった特殊なものあるのですが、まずは無難にABEC5、または3がおすすめです。また、ベアリングは信頼のあるブランドのものの方が安心です。性
能の良い物は高いですが、中途半端に高いものは壊れやすいものもあります。安いものならmini-logo、ミドルクラスだとNinja、ハイクラスならBonesを選びましょう。
また、ときどきオイルを注す必要があるオイルタイプ、メンテ不要のグリスタイプがあるので事前に確認しておきましょう。詳細は「ベアリングの知識と選び方」をご参照ください。
その他必要なもの
【グリップテープ/ビス/スケートシューズ/プロテクター】
これらのパーツのほかに必要なのはデッキに貼って滑りにくくするグリップ(デッキ)テープ、デッキとトラックを固定するためのビスですが、これらはデッキを買ったおまけについてきたり、そこまでこだわる必要のないものです。
また、普通の靴だとオーリー(ジャンプ)の練習の際に穴が開いてしまうことも珍しくないのでスケートシューズも必需品です。「スケートシューズの選び方」を参考にスケートシューズを用意しておきましょう。
あと頭を打つ、骨折などの大きな怪我も始めたばかりの方に起こりやすいので、最初必要だと感じたらパッドやヘルメットなどのプロテクターを用意しておきましょう。怪我の予防/応急処置については「スケボーの怪我と対策」をご覧ください。
スケートボードの組み立て方
基本的にショップでパーツから選んでスケートボードを買うと、その場で組み立ててくれますし、最初から組まれた状態で販売されている「コンプリート(セット)」という商品もあります
。最初は問題ありませんがパーツの交換時や自分で組み立てられる場合は「デッキテープの貼り方」及び「スケートボードの組み立て方」をご参照ください。
NollieSB 推奨スタートコンプリート
nolliskateboardingが推薦するショップ「輪生む」で取り扱っているブランクデッキはカナディアンハードメープルを使用し、アメリカでプレスされた高品質なものです。
これと他の高品質なパーツで組まれた上級者も満足な「格安コンプリートセット」もリーズナブルな値段でオススメです。
キッズ用スケートボード
専用のキッズボード/コンプリートがオススメ!
先でも触れましたが体の小さなキッズスケーターには大人用の板は大き過ぎますが、キッズ専用の小さめのコンプリートがあるのでこちらがオススメです。デッキのみの場合は短い(7.25インチ)ものもあります。
テクニカルな滑りに合ったセットアップ
小さく軽い組み合わせを
フリップトリック、マニュアル、カーブトリックなどのテクニカルな滑りには足の動きを板に伝えることが重要で、サイズが小さく軽いスケートボードが適しています。基本的には最初にオススメしたような組み合わせを引き続き使う形でも問題ないでしょう。
・デッキ:8未満の小さく軽めのもの
・トラック:VentureやThunderのLowなど、信頼のあるブランドのトラックを選びましょう。
・ウィール:53mm前後
・ベアリング:速さと耐久性のあるBonesのSwissやセラミックスなど、ハイクラスのものが良いでしょうがスピードがそこまで必要ない場合は予算と相談しながら適切なベアリングを選びましょう。
アールやボールなどに合ったセットアップ
安定性を重視して大きめのものを
アールやボールなどでリップ・エアートリックを楽しむためのスケートボードは安定性とスピードが求められるため大きめのものが基本です。
・デッキ:8.0以上の大きいもの
・トラック:サイズの大きいデッキとウィールに対応した広めのHiのトラックが基本です。この条件を満たすIndyが良く使われています。
・ウィール:安定性とスピードが付けやすい大きなサイズで、硬めのものが主流です。パワースライドも多用するので、強度のあるものが良く、Spitfireの「Formula Four」、Bonesの「SPF」などが人気です。
・ベアリング:速さと耐久性のあるBonesのSwissやセラミックスなど、ハイクラスのものが良いでしょう。
Q&A
Q : 間違ったサイズのものを買ってしまったら?
オーリー(ジャンプ系)の技をするためのスケートボードのセレクトミスで致命的なのはクルーズ用のロングボードやソフトウィール、もしくはジェイボード、ペニーボード、またはおもちゃ屋さんなどに売っているほとんど進まない「おもちゃ」を買ってしまうことです。
あとはトラックの高さに対して大きすぎるウィールを選んだときにウィールがデッキの裏側に擦れて急ブレーキがかかる「ウィールバイト」が発生するセットアップを組んでしまったときです。
このようなものは買い直ししかないので注意しましょう(ウィールバイトはライザーパッドというアイテムで解決可能です)。それ以外のサイズの差などはそこまで滑りに影響するものではないので、上に書いてあるものと違ってもそこまで気にしなくても良いでしょう。
筆者も最初はノーズのないボロボロの板で滑ってましたが、練習している間に上達出来ました。特にオーリーの練習はほとんどどんな板でも大差なく出来るので、最初は気軽に選んでも問題ありません。