WHEEL
ウィールの知識と選び方

ウィールについて

スケボーのタイヤはウィールと呼ばれ、スピードや安定性を左右します。

ウィールのタイプは大きく2種類に分けられ、一般的なスケートボード用に作られた固いハードウィールと、ロングボードやペニーボードで滑りを楽しむために作られたソフトウィールがあります。

ハードウィールは、地面を滑る感覚が直に伝わり、細かい足の動きをスケートボードに反映します。ただし荒いアスファルトなどの路面では減速しやすく、ガーッという大きめの素行音がするので、苦情の原因になりやすい反面もあります。

一方ソフトウィールは走行音が静かで柔らかいため、路面が悪い場所でも減速しにくく、滑り(クルーズ)を楽しむのに適しています。様々な形があり、地面の衝撃が伝わりにくい柔らかめの素材で作られていますが、その分足の動きを反映しにくく、トリックには不向きです。

ここでは、主にトリック用のハードウィールの選び方について紹介します。自分に合ったウィールを見つけるために重要なのは、サイズ・固さ・強度です。

ウィールの構造

ウィールはトラックの両端のアクスルシャフトに2つずつ、計4つ取り付けられ、4つセットで販売されています。ウィールの両端にはベアリングを取り付けるための穴が空いています。この構造はハード・ソフト関係無く、ほぼ全てのウィールで共通です。

ウィールの選び方

ウィールのサイズ (直径・幅・重さの関係)

ウィールのサイズには直径と幅があり、直径はスピード、幅は安定性に影響します。直径が長ければ、ウィールが一回転する際に進む距離が伸びるので、その分スピードが増します。

幅が広いとウィールが地面と接する面積が広くなるため、その分安定性が増します。ただし、サイズが大きくなるとその分重さが増し、フリップトリックなどの回転系のトリックをしにくくなるので、自分がどのようなスタイルで滑るのかを考えてウィールのサイズを選ぶことが重要となります。

ウィールのサイズを選ぶ際、幅はトラックのアクスルシャフトの幅の限度もあるので、そんなにバリエーションはありませんが、直径はきちんと数値で分類されていて、現在主流のウィールのサイズは、49〜55mmで、49mmは小さめ、55mmはかなり大きいです。最初はバランスと軽さの釣り合いが取れた52〜53mmほどのウィールを選ぶことをおすすめします。

ウィールの硬さ

ウィールには、主に滑る場所により適しているとされる固さがあります。基本的に固いウィールほど足の動きが反映されるのでトリックがやりやすいですが、路面の荒いアスファルトのような場所では、地面からの衝撃が足に伝わりやすく滑りにくいと感じるでしょう。

逆に柔らかいウィールは荒い路面でも、衝撃を和らげてくれるので滑りやすいですが、その分トリックがやりにくくなります。通常のハードウィールの固さは、95〜101という数字が、「A」「D」「S」という単位と一緒に記載されています。A、D、Sというのは、ブランドによる単位の違いで、誤差はほとんどありません。

数値が小さいほど柔らかく、最も頻繁に滑る場所が少し荒めのアスファルトという方は、95〜97の柔らかめのウィール、スムーズな路面のスケートパークで滑ることが多いという方は、100を選ぶと良いでしょう。色々な場所で滑りたいという方は、平均的な硬さとされている98や99を選ぶと良いでしょう。

ウィールのブランド

Bones(ボーンズ)

ベアリングのブランドとして名高いBonesは、ウィールのメーカーとしても高い人気があります。パンクしないことで有名なSPFを始め、多くの良質なウィールを生産しています。

Ricta(リクタ)

ベアリングを取り付ける箇所に特別な素材を使うことにより、スピードの減少をさらに抑えたコアウィールで有名なウィール・カンパニーです。

Spitfire(スピットファイア)

サンフランシスコの(デラックス・ディストリビューション)Deluxe Distributionが所有するウィール・カンパニーで1987年に創設されました。スケートボードのウィールの代名詞としても人気があります。

Mini-Logo(ミニロゴ)

ベアリングでも紹介しましたが、ブランド色の薄い安価なウィールを生産していますが、質はそこまで低くなく、お金をかけずにスケボーを始めたい方にはおすすめです。

NollieSB 推奨ブランクウィール

nolliskateboardingが推薦するショップ「輪生む」で取り扱っているブランクウィールは最も優れた素材とされているウレタンで作られたブランド品に劣らないもので、低予算でセットアップを組みたい方にオススメです。業界内で最も信頼されているトラック「Venture」と組み合わせた「足回りセット」も便利です。

その他のウィール・カンパニー

ウィールのブランドも数多くあり、デッキブランドとして有名なELEMENTやFLIPなどからも販売されています。詳しくはウィールブランド一覧をご覧下さい。

ウィールバイトについて

55mm以上のウィールを選ぶ際に注意しなければいけないのがウィールバイトです。ウィールバイトは、ウィールのサイズがトラックの高さに対して大きすぎ、急なターンをしたときにウィールとデッキがこすれて急ブレーキがかかってしまう現象です。

ウィールバイトが起こるセットアップは使い物にならないので、以下で説明するライザーパッドを使ってウィールとデッキの距離を広めるか、ウィールを小さくするか、トラックをHiにするなどして対応するしかありません。

ライザーパッドについて

ライザーパッドはトラックとデッキに間に挟むことにより、ウィールとデッキの距離を広めてくれるツールで、スケートショップで販売されています。ライザーパッドは、使うことによりウィールバイトは解消されますが、スケートボードの車高が高くなってオーリーなどはやりにくくなるので、オーリーやフリップトリックを頻繁にするスケーターはあまり使わず、スピードを求めるトラニー系のスケーターが好んで使っています。

ウィールのパンクについて

スケボーの基本トリックにパワースライドという、スケボーを進行方向に対して90°傾け、体が正面を向いた状態でウィールを地面とスライドさせるトリックがあります。スケーターによってはこのトリックは頻繁に使うのですが、あまりスライドしすぎるとウィールが局所的にすり減り、平らになってしまうパンクという症状が発生します。

ウィールがパンクした状態で滑ると、カタカタと違和感のある音がするので、すぐに分かります。小さなパンクだと音以外はあまり滑りに影響せず、滑っているうちに他の箇所となじんで自然と直りますが、平らな部分が大きいと非常に滑りにくくなり、危険なのでウィールを交換しなければなりません。

ウィールの消耗について

ウィールはデッキほど頻繁に交換する必要はありませんが、滑っていると徐々にすり減っていき小さくなってきます。あまり小さくなると、スピードやオーリーのやりやすさが落ちてきますが、消耗のスピードが遅いので実感があまりなく、気がついたらかなり小さくなっていたということもよくあります。

あまり小さくなってから、新品のウィールに交換するとサイズの差が大きく、慣れるのに時間がかかるので時々確認して小さくなっているようなら交換をおすすめします。毎日滑っても半年くらいは保つでしょう。

まとめ

初めて買う場合

・サイズ:52〜53mm
・硬さ:98〜99A/D/S
・強度は、パワースライドを頻繁にしないならあまり気にしなくても大丈夫です。

スピード・トラニー系

・サイズ:53mm〜
・硬さ:95〜97A/D/S
・パワースライド系のトリックを多様することが多いので、強度のあるウィールをおすすめします。

トリック系

・サイズ49〜52mm
・硬さ:99〜101/A/D/S
・パワースライドの使用具合により強度を選びましょう。

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