ノーズマニュアルは、マニュアルと平行して練習したいトリックです。マニュアルを練習している人の多くは、ノーズ側のウィールで走行するノーズマニュアルも早く出来るようになりたいと考えているでしょう。ノーズマニュアルは見た目ほど難しくなく、場合によってはマニュアルより使いやすいこともあります。現在マニュアルの練習をしている方は、是非このページでノーズマニュアルのやり方をご覧になり、マルチタスクが得意であればマニュアルと平行で学び、反対に平行して別のトリックを練習するのが苦手であれば、マニュアルの習得後に練習しましょう。
ノーズマニュアルについて
ノーズマニュアルは、テール側のウィールを地面から浮かせ、ノーズ側のウィールのみで走行するトリックで、テール側のウィールのみで走行するマニュアルとは対照的です。マニュアルはテールが地面についても減速するだけですが、ノーズマニュアルはノーズが地面についたら急ブレーキがかかって前に転びやすいので、難易度が高いというわけではなく、少しだけリスキーです。ただ、マニュアルは前後両方のウィールがエントリーするセクションを飛び越えなければいけませんが、ノーズマニュアルは前側のウォールが超えればエントリーできるので、高いセクションにエントリーしやすいという長所もあり、一長一短です。
ノーズマニュアルも様々な場面で使えるトリックです。更に、ノーズマニュアルとマニュアルと組み合わせると、複合トリックの幅も広がります。ノーズマニュアルもスケートボード上での基礎的なバランス感覚を向上させる大切な訓練になるので、オーリーの練習を始める前に必ず習得したいトリックです。マニュアルのバランス感覚を応用して考えれば、直感的にコツを掴みやすく、短時間で習得することが出来るでしょう。
【お知らせ】NollieSB 推奨ブランクデッキ
nolliskateboardingが推薦するショップ「輪生む」で取り扱っているブランクデッキはカナディアンハードメープルを使用し、アメリカでプレスされた高品質なものです。これらのブランクと業界内で最も信頼されているトラック「Venture」を組み合わせた「コンプリートセット」もリーズナブルな値段でオススメです。
ノーズマニュアルのHOW TO
ノーズマニュアルのコツも、重心のコントロールです。進行方向に体重をかけながら、ノーズを踏んでテールを浮かせますが、テール側の半身で後ろ向きに力を加え、ノーズが地面につかないようにデッキを支えます。マニュアルの練習時は力加減を知るためにテールを地面につくまで踏み込みましたが、ノーズマニュアルでそれをすると前に転ぶので止めておきましょう。前に転んでも怪我をすることは少ないですが、痛い思いはなるべく避けたいですよね。
ノーズマニュアルのスタンス
スタンスは、マニュアルのスタンスをそのままノーズに移したような形で、前足の球~指でノーズの先端を踏み込み、後ろ足はテール側のビス周辺に置いておきます。また、慣れないうちの視線はノーズか、その少し前方の地面を見ておきましょう。
バランスをとる練習
ノーズマニュアルの基本的なバランスの取り方もマニュアルに通じるものがあります。前足に力を入れてノーズを押しますが、ノーズが地面つかないように注意して、少しずつ重心の比率を前に移していきましょう。はじめは後方のウィールが地面にコツコツと付きますが、かまわずバランスを取る練習を続けましょう。
後ろ足でコントロールする
ノーズにかける前足の力の量は一定で、意識してコントロールはしません。コントロールするのは後ろ足にかける力で、ノーズとテール側のウィールが地面につかないよう、支えのように使いバランスを調節します。
頭と足の位置関係
バランスを調節する良い方法は、頭と前足の位置関係を意識することです。マニュアルでも、「頭と前足に串を通して固定するように・・・」と表現しましたが、ノーズマニュアルでも頭の位置はマニュアル時と変わらず、頭の前足の位置がほぼ同じ位置にあるようにします。頭が少し後ろにあるのはいいのですが、前足より前方にいってしまうと前のめりになってしまうことが多いので注意しましょう。頭と前足で作った軸をもとに、後ろ側の肩と後ろ足を使ってバランスを取るといった形です。
視線
ある程度ノーズマニュアルを続けられる距離が伸びてきたら、今までノーズ周辺に当てていた目線を進行方向に移すと、さらに安定度が増します。
ノーズマニュアルの練習方法
Q&A
Q : オーリーや他のトリックでセクションに乗り、ノーズマニュアルにつなげるには?
マニュアルと同じくオーリーから着地した瞬間の重心と体勢がノーズマニュアルと同じ状態である必要があります。ただ、普通のノーズマニュアルのように着地すると、体が怖がって反射的に後ろ側に重心が傾き失敗しやすいので、ほんの少しだけ通常のノーズマニュルより前体重であることを意識するとうまくいくことが多いです。
Q : ノーズマニュアルでセクションからのアウトはどうするの?
アウトのアクションは、軽くノーリーをするような動作です。ノーズマニュアルでセクションの端まで来たら、軽くノーズを進行方向側に押してやると、アウトの際にテールが浮き、端に当たることなくスムーズな着地が出来ます。はじめは低い縁石で練習するようにすると直感的に出来ると思うので、トライしてみてください。
Q : フリップアウトをするには?
ノーズを踏み込みフリップさせるので、ノーリーフリップの習得が必須になります。マニュアル中にスタンスを移動させるのも、テールマニュアルに比べ難しいので、難易度は高いです。完璧なノーズマニュアル、ノーリーフリップを習得し、練習しましょう。
ノーズマニュアルの達人達
ノーズマニュアルの達人であることは、すなわちマニュアルの達人でもあります。つまり前回のマニュアルの記事でご紹介したDaewon Song、Rodney Mullen、Joey Blezinskiなどがノーズマニュアルを極めたスケーター達なのですが、このページでは前回ご紹介出来なかったマニュアル・マスター達を紹介します。
Brandon Biebel (ブランドン・ビーブル)
ブランドン・ビーブルもマニュアルに定評があります。米カリフォルニアのPeer7という有名なマニュアル台で、かつて様々なマニュアルトリックをメイクし、世界を圧倒させました。
Danny Gonzales(ダニー・ゴンザレス)
ダニー・ゴンザレスは、マニュアルだけでなく様々なオリジナルトリックを使ったスケートで有名で、片方の足だけでマニュアルするなど、珍トリックを連発します。