ノーリーはノーズ・オーリー(Nose Ollie)の略称で、その名の通りノーズを蹴ってオーリーをするトリックです。後足と前足の動作が逆になるので、習得には若干のコツが必要ですが、オーリー、フェイキー・オーリーなどがしっかりメイク出来れば原理的には同じなので、感覚さえ掴めばすぐにメイクできるようになるでしょう。フェイキー・オーリーと似たような見た目になりますが、前足と後ろ足の動作が逆なことから、どちらかというとスイッチ・オーリーに近いといえます。
ノーリーのHOWTO
ノーリーのスタンス
前足でノーズを蹴り、後ろ足でテールをすり上げるので、オーリーのスタンスをそのままノーズ側に移動させたスタンスになります。テールを蹴るときのようにつま先に力を入れ、ノーズを蹴るスタンスを作ります。
溜めの動作
ノーズの先端から前方を見ながら膝を曲げ、重心を真下に落とすようにします。
ノーズは少し前方に蹴るように意識する
ノーリーで最も重要なポイントです。真下にノーズを蹴ってしまうと、体は前進しているのでデッキだけが後方に跳んでいってしまい、体の真下で浮いてくれません。少し前方に押し出してやるとバランスがとれて奇麗に体の真下でコントロールできます。
オーリーのように両足を上半身に引きつける
ノーズを蹴ったら重心を崩さないように、オーリーと同じ要領で両足を上半身に引きつけ、ピークの状態を作ります。はじめは高いノーリーをすることは難しいですが、繰り返し練習する内に要領が掴め、高さも上がってきます。
空中で板を平行にして着地に備える
まずは高さを出すことより、空中で板が地面と平行になる安定したノーリーをすることを意識します。その状態から着地地点を見ながら、リラックスして4輪着地を心がけます。
ノーリーの練習法 | オーリーの違いを理解する
オーリーとの最大の違いは、物を跳んだり、ギャップを越えたりしようとしたときに感じます。ここでは、その原因と解決策を解説します。
飛距離の違い
以下の画像のようにギャップをそれぞれオーリー、ノーリーで越える所を想像してください。オーリーはテールを蹴った際に、デッキの半分は既にギャップに入っています。
逆にノーリーは、ノーズを蹴った段階ではデッキはまだギャップに入っていません。このため、越えなければならない幅がオーリーに比べて必然的にデッキ半分くらい伸びてしまいます。
更に、ノーリー系のトリックは、オーリーと同じタイミングでノーズを蹴ると、大抵地面をうまく弾けず、失敗します。ノーズをしっかり蹴るためには、オーリーよりも反呼吸ほど前にノーズを蹴るように意識し、さらにエントリーするスピードもオーリーをするときよりも早くする必要があります。
高さを飛び越える際の違い
ギャップと考え方はほとんど同じなのですが、オーリーは、テールより先にノーズが上昇するため、障害物をまたぐようにして跳ぶイメージで、要領が掴みやすいです。しかしノーリーの場合は、テールが先に上がるため、遅れてピークに達するノーズで障害物を飛び越え、高さを保ったままテールも通過させる必要があり、ノーズを蹴るタイミングもオーリーより幾分早くしなければなりません。
同じ高さでもノーリーで越える方が難易度が高いです。
これらの距離やタイミングの差を埋めるのは、スピードしかありません。以上のことを頭に入れながらノーリーで低いものを飛び越す練習をし、慣れてきたらセクションの難易度を上げていくのが効果的な練習方法です。
その分ノーリーで高いものや、広いギャップを飛び越えられれば、オーリーよりも高い注目を集められます。自分のペースで練習し、徐々に使える範囲を広げていきましょう。
20段ステアでのノーリー
米カリフォルニア、レイクフォレストのハイスクールにある20段ステア、通称エル・トロ(El Toro)は昔からスケーターの間で有名なビッグセクションでした。2001年にNugeことDon Nguyen(ドン・ニューエン)が最初にオーリーをメイクしてから、なかなか次のトリックが生まれず、挑戦するスケーター達を無惨なスラムで返り討ちにしてきました。
しかし2006年にDave Bachinskyがキックフリップをメイクしてから、少しずつ他のトリックをメイクするスケーターが現れ始めました。カナダ出身のRyan Decenzoも2009年にノーリーをメイクしました。幅・高さ共に最高レベルのセクションでのノーリーの迫力は尋常ではありません。